(2) フロー
『事前準備』
特許を受けようとするはつめいの範囲を
決めましょう
これ!
じぶんのはつめいであっても
意外と難しいんです
すなわち
主観的ではダメ
客観的に
特許となり得るはつめいを
特許を受けようとするはつめい
としなければなりません
★★★
・出発点を決める
そこで
リサーチ&リビューで検討した
あなたのはつめいを
出発点とましょう
でも
出発点を決めるって…なに?
リサーチ&リビューで検討した
はつめいは
先行技術を調べ、見直したもの
であり
本質的部分なんだから
これを
特許を受けようとするはつめい
にしたらいいんじゃないの?
と思うかもしれません
しかし
リサーチ&リビューで先行技術のすべて
を完璧に調べつくすことは現実的に不可能
なんです
時間、費用、調査能力等の
問題もあるし
特に
特許出願された先行技術は
原則、その出願から
1年6月経過しないと
内容が公開されない…
といった事情もあります
すなわち…万が一
リサーチ&リビューで検討した
あなたのはつめい
に類似するはつめいが
あった場合を想定し
そのようなものが
あったとしても
特許をとれるように
いわゆる
保険を考えておくことが
必要となるんです
保険:特許出願後に、リサーチ&リビューで検討したはつめいに類似するはつめいがみつかって、それをもとにそのはつめいが拒絶されたとしても、はつめいを限定/変更することで、特許を受けることができるようにするための要素のこと
このような
保険を含めて
はつめいを再び見直すこと
それを
はつめいのブラッシュアップ
といいます
★★★
・ブラッシュアップ
では…
具体的に何をするの?
具体的には
リサーチ&リビューで検討した
はつめいの
変形例、改良例、応用例など
を考えます
例えば
出発点としての
リサーチ&リビューで検討した
はつめいが
「内面に凹凸をもつゴムリングと、2つの棒状体を有し、それらの一端が回転軸として結合され、それらの他端がその軸を中心に開閉可能で、閉状態でゴムリングの凹凸が容器のネジ式ふたのふちに密着可能となるように構成される取っ手と、を備えるふた開け器」
であるとすると…
異なるサイズのふた
にも対応できるように
「円形のゴムリングを異なるサイズの複数のゴムリングの組合せからなるもの」
に変形する、とか…
取っ手を閉じたときに
2つの棒状体を固定するために
「2つの棒状体の一方の他端に、これらを固定するフックを設ける」
といった改良を行う、とか…
変形例、改良例、応用例など
を考えます
★★★
ここで
ポイントが2つあります
1つは
ふだんから変形例や応用例を
ひらめくための知識を
とりいれておく
ということです
なぜなら
じぶんに変形や応用のための
もとの知識がなければ
変形例や応用例をひらめく
ことはまずできないから…
です
すなわち
「ひらめきたい爽」のうた
にもあるように
ひらめきたいなら
変形や応用をひらめくための
知識をなんでもかんでも
とりいれておくこと
が重要になるんです
でも…これ!
難しいことではありません
ふだんから
身の回りにあるものについて
スルーせず
ちょっと気に留めて
おくだけでいいんです
★★★
ひとつ、事例です
熱帯魚飼育を趣味とする
年配のひとがいました
熱帯魚飼育には
みずをきれいにする機器の
メンテナンスが必要になる
んですが…
ホースをつなぐ
ダブルタップと呼ばれる
接続器があります
これを開け閉めするネジ部
が非常にかたい!
この年配のひとは
水槽機器のメンテナンスのたびに
これを不満に思ってました…
ある日
この年配のひとは
ちからの弱いひとが
容器のふたを開けるという
必要を解決するため
さきの
「内面に凹凸をもつゴムリングと、2つの棒状体を有し、それらの一端が回転軸として結合され、それらの他端がその軸を中心に開閉可能で、閉状態でゴムリングの凹凸が容器のネジ式ふたのふちに密着可能となるように構成される取っ手と、を備えるふた開け器」
をひらめきました!
そして
本フローにしたがって
保険を考えました
その時、思うはずです!
これ…
容器のふたにとどまらず
ホース接続器などに使用する
ネジ部の開閉にも
応用できるよね…って!
★★★
このように
身の回りにあるものについて
常日ごろ
不満などを気に留めて
おくことで
あなたのひらめき
(特許となり得るはつめい)
に対して
更に
その変形例や応用例をひらめく
ことが可能になるんです
ただ…
こんなひともいるかも知れません
いまのじぶんに知識はないし…
身の回りにあるものについて
気に留めておくことも…苦手
なんていうひと!
そんなひとでも大丈夫です
そんなひとは
その場で知識を仕入れて
ください
具体的には
いま世の中にある技術を
その場でしらべてまねる…
すなわち
同じような課題(必要)
を解決する技術を
インターネットなどでしらべて
これをまねれば(適用すれば)
いいんです
いまは
情報通信技術の発展により
その場で(リアルタイムに)
情報を取得し
それをじぶんの知識にする
ことができます
結果…いまは
だれもが簡単に
応用例や変形例をひらめく
環境が整っているんです
★★★
他の1つは
はつめいをブラッシュアップ
するということは
リサーチ&リビューで検討した
はつめいについて
単に変形例や応用例を追加する
ということだけに
とどまらない…
ということです
さきの
熱帯魚飼育を趣味とする年配のひと
の事例を考えると
リサーチ&リビューで検討した
はつめいは
「容器のふた開け器」
でした!
でも
ホース接続器などに使用する
ネジの開閉という
応用例をひらめいた時点で
あなたのはつめいは
「容器のふたやホース接続器などのネジ部を有する物品の該ネジ部の回転を補助する回転補助器」
に拡張されました!
これは
リサーチ&リビューで解説した
先行技術から
あなたのはつめいを拡張する
発展的な効果
と同じです
このような
ブラッシュアップによる
はつめい拡張の効果…
忘れないでくださいね!
★★★
・特許を受けようとする
はつめいの範囲
このように
リサーチ&リビューで検討した
はつめいを出発点とし
それに
そのはつめいの変形例や応用例
を加えたもの…
それが
あなたがこれから特許を受けようとする
はつめいの範囲となります
ただ、ここで注意点です
あなたのはつめいを
「容器のふたやホース接続器などのネジ部を有する物品の該ネジ部の回転を補助する回転補助器」
に拡張したとき
さきの
ふた開け器の構成要素を
そのまま適用できるか
検証しておく必要があります
実は
ふた開け器のゴムリングを
ホースをつなぐ
ダブルタップと呼ばれる
接続器のネジ部に
そのまま適用する
ことはできないんです
なぜなら…容器のふたなら
ゴムリングをうえから嵌め込む
ことができるんですけど…
ホースがつながれた状態で
それらをつなぐ接続器のネジ部にゴムリングを嵌め込むことはできないからです
そこで
ホースをつなぐ接続器の
ネジ部にも適用できるように
あなたのはつめいを少し変える
ことが必要となります
すなわち
ホースをつなぐ接続器のネジ部にも
適用できるようにするには
すべりを防止するゴムは
リングであっては困るので
例えば
「ゴムリング」というはつめいの一要素を
「2つのゴム材」といった要素に代える
必要があります
以上により
特許を受けようとする
はつめいの範囲が確定します!