第2話 まねるはつめいとの出会い

 あれから10年…

 85歳になったいまでも
 50年前のあのアイデア…

 特許をとっておけば
 よかった

 と後悔しつつ

 じぶんが考えた
 ボール盤を用いて

 小物グッズなどを作る
 趣味を楽しんでいた

 もちろん秘密裏に…

 あるとき
 ひょんなきっかけで
 まねるはつめい
 を知ることになる

 そこで
 いま世の中にあるもの
 をまねて

 それに改良を加える
 ことで

 特許をとれる
 ことを知る

 え~

 もしかしたら
 いまある切削具に

 じぶんが50年前にした
 アイデアを組み合わせたら
 特許をとれるんじゃないか…

 そのアイデアは
 いまでもだれも実施
 してないし…

 それに…じぶんも
 もう85歳だし

 何か世の中に
 じぶんの功績を
 残したい

 そして…なにより
 そのアイデアが
 お蔵入りにならず

 社会…すなわち
 日本の産業の発達に
 少しでも貢献できる

 となれば言うことなし…

 そんな気持ちを
 もつようになった…